【工場向けLED照明】用途によって使い分けるのがおすすめ

  • 2025年6月24日
  • 2025年6月18日
  • コラム

工場の現場では、照明ひとつで作業効率や安全性に大きな差が生まれます。手元の見えづらさが原因で作業ミスが起きたり、明るさが不十分な環境で思わぬ事故が発生したりするケースも少なくありません。

そのため、工場における照明の選定は単なる明るさだけでなく、「どこで・何をするか」用途に応じて適切なタイプを選ぶことが重要です。

特にLED照明は、省エネ性や長寿命といった特徴に加え、設置場所や作業内容に適した製品が豊富にあるので、各工場内のエリアに最適なLED照明を選ぶことが大切です。

本記事では、工場内の各エリアにおすすめのLED照明と、導入によって得られるメリットについてご紹介します。

LED照明が工場にもたらすメリットとは?

メリット 照明

LED照明は、工場に設置することで幅広いメリットをもたらしてくれます。下記では具体的にどのようなメリットがあげられるのか、大きく分けて4つ紹介するので、LED照明の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

省エネ・コスト削減ができる

LED照明は、蛍光灯や水銀灯よりも少ない電力消費でありながら、明るさは同じまたはそれ以上に出すことが可能です。電力消費が少ない分、電気代も大きく減らすことができ、省エネにつながるメリットがあります。

また、LED照明は長寿命であることも特徴です。普通の蛍光灯の寿命が1〜2年程度だとすると、LED照明は5年〜10年ほど使えることもあります。交換の手間も減るので、長い目で見ると電力にかかるあらゆるコストを削減することができるのです。

メンテナンス頻度を少なくできる

工場の照明は設置場所によってさまざまですが、その中でも多いのが天井に設置されているケースです。高い場所に取り付けられていることがほとんどであり、万が一照明が切れてしまったときの交換作業は簡単に行うことができません。

脚立を使って登ったり、場合によっては高所作業車を手配したりしなければならないこともあります。そうなると、安全面への配慮はもちろん、作業時間や人手も必要となり、現場の負担はかなり大きくなります。

しかし、LED照明は長寿命の特徴を持っているため、一般的な蛍光灯に比べて数倍から十数倍長く使えると言われています。つまり、一度設置すれば、何年も交換せずに使い続けることができ、交換の手間が減ることで、高所作業のリスクも減り、安全面の向上にもつながります。また、点検や交換のために作業を止める必要が少なくなるので、全体の業務もスムーズに進めやすくなります。

LED照明は、長寿命だけではなく、工場全体のメンテナンス効率を上げられる点に関しても大きなメリットとなるでしょう。

作業環境の改善につながる

工場での作業は、細かい部品の取り扱いや、色や形の確認など、目を使う場面が多くあります。古い照明では光がチラチラしたり、照らす範囲にムラがあったりして、目が疲れやすく、集中力が続きにくくなることもあります。このような状況では、作業ミスが起こりやすくなり、品質や安全面にも影響を及ぼします。

LED照明は、安定した明るさでチラつきがほとんどなく、自然光に近い光を再現することができます。そのため、目が疲れにくく、作業に集中しやすくなるのが大きな特徴です。

また、必要な場所をムラなく照らせるため、細かい作業も正確に行いやすくなります。結果として、ミスの減少や作業効率の向上が期待でき、快適な職場環境づくりにもつながります。

安全性が向上する

LED照明は、電源を入れると瞬時に明るくなる特徴があります。従来の蛍光灯のようにジワジワと明るくなるものではなく瞬時に点灯するため、作業をすぐに開始でき、特に停電時の復旧の速さはLED照明ならではと言えます。

また、点灯・消灯を何度繰り返しても寿命が縮みにくいため、必要なときにすぐ使える信頼性の高さも魅力です。

その他にも、LED照明は発熱が少ないという点でも優れています。昔の照明器具は長時間点灯しているとかなり熱くなり、火傷や火災の原因になることもありましたが、LEDはその心配がほとんどありません。熱によるトラブルを防ぐことができるため、安全性の高い環境づくりに役立ちます。

特に、熱に弱い機械や材料を扱う工場では、LEDの熱を持ちにくいという特性が大きなメリットになります。

各工場向けにおすすめのLED照明

工場 環境

LED照明は、省エネや長寿命といった特徴だけでなく、工場や倉庫の種類によって必要とされる性能も異なります。工場内の環境は、温度・湿度・油分・振動・塩害など、施設ごとにさまざまな影響を受けるため、それぞれの用途に合ったLED照明を選ぶことがとても大切です。

ここでは、代表的な工場・施設タイプごとに、どのようなLED照明が適しているのかを解説していきます。

金属加工や機械加工工場

金属や機械を扱う工場では、切削や研削といった加工の際に、細かい金属粉やオイルミストが空気中に広がることがよくあります。こうした空気中の油や微粒子が照明器具の内部に入り込むと、器具の劣化が早まり、性能が落ちる原因になります。

そのため、このような環境では、防塵・防油性能のある密閉型のLED照明を選ぶことがポイントです。また、長時間の連続運転にも耐えられる製品を選ぶことで、安定した明るさを確保でき、作業ミスの防止や安全性の向上にもつながります。

冷凍・冷蔵倉庫

冷凍庫や冷蔵庫など、低温環境で使用される倉庫では、一般的な照明器具が正常に機能しないことがあります。具体的には、気温が低すぎると照明がチラついたり、点灯に時間がかかったり、十分な明るさを確保できないケースもあります。

このような問題を防ぐには、低温専用に設計されたLED照明を使用するのが安心です。

低温対応タイプであれば、マイナス20℃や30℃といった極端な低温でも安定して明るさを保つことができ、冷凍・冷蔵業務に支障をきたすことがありません。また、LEDはもともと発熱量が少ないため、冷却効率の妨げにもなりにくく、空間全体の省エネにも役立ちます。

クリーンルーム(食品・医療・半導体工場)

食品工場や医療品の製造現場、さらには半導体の工場などでは、空気中のホコリや虫、微細な汚れさえも品質に大きく影響します。このような環境の工場には、清浄度が保たれたクリーンルームが設置されており、そこで使われる照明も特別な配慮が必要です。

クリーンルームでは、照明器具にホコリがたまらないよう密閉性が高いものを選ぶのはもちろん、虫が寄りつきにくい波長のLED照明が選ばれることが多くなっています。

また、半導体など感光性の素材を扱う工場では、光の種類によっては製品に悪影響を与えることもあるため、感光を抑えられる設計の照明が適しています。

さらに、食品工場では、油分や水分が飛びやすい場所もあるため、防水・防油仕様の照明を導入することで衛生面のリスクを軽減できます。

プレス工場

重い金属を加工したり、大型のプレス機を使ったりする工場では、設備が動くたびに地面や建物に振動が伝わることがあります。また、屋根に設置されたホイストクレーンなどの移動式装置では、操作中に照明に振動や衝撃が加わる場面も少なくありません。

このような環境で一般的な照明を使うと、内部の電子部品にダメージが蓄積し、思わぬ故障につながる可能性があります。

そこでおすすめなのが、耐震性・耐衝撃性に優れたLED照明です。しっかりと固定でき、振動にも強い構造の照明器具であれば、長期的に安定して使用することができます。

照明のトラブルは、作業の中断や事故の原因にもなりかねないため、安心して使える設計のものを選ぶことが重要です。

倉庫の出入口や搬入エリア

倉庫の出入口や搬入エリアは、外気の影響を受けやすく、雨風や湿気が入り込むことがあります。特に、屋内と屋外をつなぐシャッター部分などは、湿度が高くなりやすく、気温差で結露が発生することもあります。

このような場所に設置する照明は、しっかりとした防水・防湿機能があることが求められます。IP等級(防水・防塵の規格)で表示される性能が高い製品を選ぶことで、故障のリスクを大きく減らすことができるでしょう。

さらに、人の出入りが不定期であることも多いため、人感センサー付きのLED照明を活用すれば、必要なときだけ自動で点灯し、省エネ効果も期待できます。

使用していない時間帯の無駄な電力消費を抑えることで、ランニングコストの削減にもつながります。

港湾や屋外設備

港湾や屋外に設置される照明は、潮風や紫外線、砂塵など、自然環境の影響を強く受けることがあります。特に塩害地域では、金属製品の腐食が進みやすいため、普通の照明器具ではすぐにサビたり壊れたりしてしまうリスクがあります。

このような環境では、塩害対策が施された「重耐塩仕様」のLED照明を選ぶことが重要です。

また、防水性能や防塵性に優れた構造を持っていることも条件となります。IP66やIP67といった等級を持つ照明であれば、屋外でも安心して使用できます。

また、高所に設置されることが多い港湾設備では、メンテナンスが容易にできないため、長寿命で高信頼性の製品を選ぶのがおすすめです。

まとめ

LED照明は、明るさの確保だけでなく、工場全体の作業効率・安全性・省エネ性を高めるうえで欠かせない存在です。特に、用途や設置環境に応じて最適な製品を選ぶことで、設備の寿命を延ばしたり、作業環境を改善したりと、幅広いメリットが得られます。

照明は現場の見えないインフラとも言われるほど、日々の業務を支える重要な存在です。今回の内容を参考に、もっと照明をこだわりたいと考えている企業は、自社工場に最適なLED
照明の導入を検討してみてください。

ビルドスマートでは、それぞれの工場に最適なLED照明の導入支援を実施しています。補助金を活用することで導入コストを抑えることもできるので、初期コストを抑えながらLED照明を導入したいと考えている企業は、ぜひお気軽にご相談ください。