近年、電気代の高騰などの流れを受け、企業や施設でのLED照明の導入が進んでいます。LED照明を導入することで、蛍光灯に比べて電気代を大幅に減らすことができますが、十分に計画をせずに導入してしまうと、「思ったより暗かった」「工事費が想定より高額だった」など、さまざまなトラブルや失敗につながってしまうことがあります。
この記事では、法人・施設でのLED照明導入にありがちな失敗例を紹介しながら、失敗しないための3つのポイントをわかりやすく解説します。設備担当者や総務部門の方が検討する際に役立つ内容をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
よくあるLED照明導入の失敗例

LED照明の導入において、以下のような失敗が多く見られます。
- 照明の明るさが足りなかった
- 器具のサイズ・形状が合わなかった
- 工事費用が予想より高額だったなど
蛍光灯とLEDは、交換の際に同じワット数でも明るさが違うことがあります。同じだと思って導入したのに、思ったよりも暗かったと感じるケースがあります。
また、LED照明にはさまざまなタイプがあります。既存の照明器具に適合しないタイプを選んでしまうと、別途器具の交換工事が必要になり、余計な費用が発生してしまいます。
その他にも初期見積もりには照明器具代しか含まれておらず、工事費や追加資材費が後から加算され、想定より大幅に高額になるケースもあります。
このように、LED照明の導入においては失敗例もありますので、トラブルを防ぐためには導入前の準備が最も大切になります。
失敗しないための製品選定のコツ

LED照明の導入で失敗しないためには、製品選定が重要です。製品によっては特長が大きく異なりますので、設置場所に最適なLED照明を選ぶようにしましょう。
下記では製品選定のコツとして、3つのポイントを紹介します。
明るさと色味を考えて選ぶ
LED照明を選ぶ際に最も重要なのは、使用目的に合った明るさと色味を選ぶことです。
例えば、オフィスや会議室など集中力が求められる場所では昼白色(5000K前後)が好まれ、休憩室やロビーでは温白色(3500K前後)などが適しています。
使用する空間の雰囲気や用途に応じて、色味や明るさを細かく調整することが、快適な職場環境づくりにつながるため、じっくりと考えて選ぶようにしましょう。
カタログスペックだけで選ばない
同じワット数でもLED照明の明るさは商品によって異なるため、カタログスペックだけで判断するのは危険です。
可能であれば、試験点灯を依頼し、事前にどの程度の明るさになるかを確認することをおすすめします。
信頼できる業者やメーカーであれば、導入前に照明シミュレーションを行ってくれる場合があるので、活用することで「暗すぎた」「明るすぎた」といった失敗を未然に防ぐことができます。
設置環境に合わせた製品選び
照明を設置する場所の環境によっては、特別な機能を持つ製品が必要になることがあります。
例えば、工場や調理場、外の駐車場などでは、水やホコリに強い照明が必要です。こうした場所に使う照明は、「防水」や「防塵(ぼうじん)」といった性能があるものを選ぶのが安心です。
また、寒い地域や熱がこもりやすい施設では、暑さや寒さに対応できるタイプの照明を選ぶことも大切です。
このようなポイントを事前に確認しておけば、故障を防いだり、照明が長持ちしたりするので、失敗を未然に防ぐことができます。
業者選びで失敗しないために

LED照明の導入で失敗しないためには、業者選びも大切です。選び方を間違えてしまうと、「追加費用を請求された」「イメージと違う結果になった」など、後悔する原因となりますので、しっかりと計画を立てて選びましょう。
下記では業者選びで失敗しないための3つのポイントを紹介しているので、参考にしてください。
現地調査をしてくれるかどうか
業者を選ぶ際に大切なのは、実際の設置場所を事前にしっかり見てくれる業者を選ぶことです。
現地を見ないまま話を進めてしまうと、「照明がうまく付けられない」「配線の長さが足りない」などのトラブルが起きることがあります。そのため、LED照明を設置する際に業者を選ぶ際には、現地調査に対応してくれる業者を選ぶようにしましょう。
現場の構造や電気設備の状況は建物によって異なります。とくに古い建物では配線の追加工事が必要になる場合もあるため、設置前にしっかり現場確認を行うことで、思わぬトラブルを未然に防ぐことができます。
見積書の中身がわかりやすいか
見積書には、「照明器具の代金」「工事費」「補助金対応にかかる費用」などがはっきりと書かれているかを確認しましょう。あとから追加費用が必要と言われないためにも、細かく明記されている業者を選ぶのが安心です。
曖昧な見積もりでは、追加費用が発生しやすくなります。電気工事の内容、取り付け費、配線調整費など、細かく書かれた見積書を出してくれる業者を選ぶことで、予算管理もしやすくなりますし、大きな失敗を防ぐことができます。
見積書における失敗例は、LED照明に限らず数多くありますので、見積もりを取ったら担当者がしっかりと内容を確認し、わからない部分は細かなことでも業者に質問するようにしましょう。
アフターフォローがあるかどうか
LED照明を設置したあとに、「明るさが足りない」「一部の照明がつかない」といったトラブルが発生することもあります。このような問題が起きたとき、すぐに対応してくれるかどうかは、業者選びで特に重要なポイントです。
照明は毎日使うことが多いため、不具合が起きたときにすぐに相談できる体制が整っていると安心です。例えば、「思っていたより暗いので微調整をお願いしたい」「取り付けに不具合があった」などの相談にも迅速に対応してくれる業者であれば、トラブル時の不安を大きく軽減できます。
また、納品後も継続してアフターサービスを提供している会社であれば、長期的な運用を見据えたサポートも期待できます。LED照明は10年以上使用されることもあるため、導入後の安心感を得るためにも、アフターフォローの充実度は重視すべきポイントと言えるでしょう。
補助金の活用を検討する

LED照明の導入で費用面のリスクを軽減させるためには、補助金の活用が有効です。現在、LED照明の導入に使える補助金の公募受付が開始されているので、この見出しでは補助金の活用を検討されている方向けに申請すべき理由を説明します。
補助金活用で費用面のリスクを軽減
LED照明の導入には初期費用がかかります。特に、照明を一度にたくさん入れ替える場合、数百万円のコストになることもあります。このようなケースで頼りになるのが、国や自治体が提供している補助金制度です。
例えば、経済産業省が実施する「省エネルギー投資促進支援事業費補助金(設備単位型)」では、LED照明や空調、冷蔵設備などを導入する際に、費用の1/3が補助されます。
また、東京都では「LED照明等節電促進助成金」があり、都内の製造業の中小企業なら導入費用の1/2まで助成を受けられます。
このような補助金制度を利用すれば、例えば600万円の工事でも、実際の支払いは300〜400万円程度まで減らせることがあります。補助金はコストを抑えられることにより、導入のハードルが一気に下がるため、計画を前に進めやすくなるメリットがあります。
補助金活用で資金繰りにも余裕が生まれる
補助金を使うことで、会社の資金の流れにも余裕が生まれます。年度内の予算が限られている場合でも、補助金があれば一度に大きな支出をしなくて済むので、他の業務に必要な資金を確保しやすくなります。
さらに、補助金によって「電気代の削減+導入費用の軽減」という2つのメリットを同時に得ることができます。照明の導入で経費削減ができるうえに、費用の一部を国や自治体がサポートしてくれるのは、企業にとって非常に心強い支援策と言えます。
特に現在公募受付が行われている補助金の中でも「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」は対象者の幅も広いので、どのような会社でも申請がしやすくなっています。いつ募集が終了するかは未定なので、興味がある方は早めの申請を行いましょう。
専門家に依頼すればさらに失敗を防げる
「補助金の手続きは難しそう」と不安に感じている方も多いかと思います。しかし、最近では補助金申請に詳しい専門家もおり、依頼することで申請書類の作成から提出、完了後の報告まで、まるごとサポートしてくれます。
自社だけで対応するとなると、特に初めての場合は失敗などが発生するリスクが高まります。特に申請書などの不備があると採択されないケースもあり、不採択となるとせっかく申請しても補助金が受け取ることができません。
このような失敗は、補助金に詳しい専門家に依頼をすれば、大幅に軽減することができます。せっかく補助金を利用するならスムーズに活用できた方がいいので、失敗を防ぎたいと考えているなら専門家への依頼も検討しましょう。
まとめ
LED照明は、電気代削減や省エネ効果だけでなく、職場環境の快適さや企業イメージの向上にもつながる重要な設備です。しかし、製品の選定や設置計画を誤ると、導入後に「思ったより暗かった」「費用が想定より高かった」といったトラブルが発生するリスクもあります。
そこで大切なのは、事前の準備と信頼できる業者の存在です。照明の明るさ・色味・設置場所に合った製品をしっかり選び、現地調査や見積もりが丁寧な業者と連携することが成功のカギとなります。さらに、補助金を活用することで費用面の負担を大幅に軽減でき、失敗のリスクを抑えながら導入を進めることができます。
ビルドスマートでは、補助金申請をトータルでサポートします。LED照明の導入で補助金の活用を検討している事業者は、ぜひお問い合わせください。