オフィスビルの電気代を削減する方法とは?補助金を活用してお得に導入

  • 2025年4月30日
  • 2025年4月24日
  • コラム

近年、エネルギーコストの高騰が止まらない状況が続いており、オフィスにおいては電気代の削減が重要な課題としてあげられています。

オフィスビルの電気代を削減する方法としては幅広い内容がありますが、その中でも今すぐに取り組める内容として、LED照明を導入するという方法があります。

本記事では、具体的に電気代が高騰し続けている理由や、オフィスビルにLED照明を導入するメリット、実際に取り組む企業の事例なども紹介します。

また、LED照明を導入する際にコストを抑える方法として、補助金を利用する方法がありますので、そちらについても詳しく紹介します。

オフィスビルの電気代が高騰している理由とは?

オフィスビル 高騰 理由

オフィスビルの電気代が高騰している理由としては、大きく分けて3つの理由があげられます。

発電に必要なエネルギー資源の価格が上がっている

現在、電気料金が上昇している一因は、電気を作るために使われる燃料(石炭や液化天然ガスなど)の価格が世界的に上がっていることです。

これらの燃料は主に海外から輸入されているため、国際的な価格変動の影響を大きく受けます。輸入価格が高くなると、その分発電コストも上がり、結果として支払う電気料金にも影響が及ぶのです。

さらに、日本では燃料費調整制度と呼ばれる仕組みがあり、燃料価格の変動によって毎月の電気料金が上下するようになっています。つまり、燃料が高くなれば、その分電気代も上がるというわけです。

脱炭素の動きとエネルギー供給のバランス

環境への配慮から、世界中で二酸化炭素の排出を減らす脱炭素の動きが進んでいます。その影響で、石炭などの高排出な燃料から、液化天然ガス(LNG)など比較的クリーンなエネルギーへの切り替えが進められています。

しかし、LNGも需要が急増している一方で、生産量はすぐには増やせないため、供給不足が発生しています。その結果、LNGの価格が高騰し、それが発電コストの増加を招き、電気料金の値上がりにつながっています。

発電施設の老朽化と原子力発電の制限

電気代の高騰には、発電所の設備が古くなってきていることも関係しています。特に、火力発電所は運用コストが高く、近年は老朽化が進み、使われなくなった施設も増えています。

さらに、東日本大震災以降、原子力発電所の運転再開が難しくなっており、国内で安定した電力供給が難しくなっている状況です。こうした背景により、電気を作るための選択肢が限られてしまい、電力の供給量が不安定になっていることも、電気料金が高くなる一因となっています。

このように理由はさまざまですが、今後も電気料金は値上がる可能性があるため、オフィスとしては今のうちに対策をしておく必要があります。

【事例】LED照明を導入するとどのくらい電気代削減が見込める?

LED照明 電気代削減

オフィスビルの電気代を削減するためには幅広い方法がありますが、その中でもLED照明がおすすめと言われています。この見出しでは、実際にLED照明を導入したオフィスビルがどのくらい電気代を削減できたか事例を紹介するので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

事例①:中規模オフィスビルで約40%の電気代削減を実現

中規模オフィスビルでは、長年使われていた蛍光灯照明をすべてLED照明に置き換えました。導入前は1日12時間、年間250日稼働しており、照明による電力使用量が大きなコストとなっていました。LED化にかかる初期費用は約350万円でしたが、導入後は月あたりの電気代が約35%削減され、年間で約90万円の節約を達成しました。

特に、共用部(エントランス、階段、廊下、トイレ)の照明をすべてセンサー付きLEDにすることで、使っていない時間帯の無駄な電力消費をカットできたことが大きな成果となっています。

事例②:大都市中心部のテナントビルで約50%の省エネ効果

都心のオフィス街に立地するテナントビルでは、全フロアの照明器具(約1,800本)をLEDに交換しました。交換前の蛍光灯照明では、電気代の約3割が照明によるものとされていましたが、LED導入後は照明に関する電力使用が半分以下に削減されました。電力使用量全体でも15%の削減に成功しています。

この事例では、日中の自然光を活かすために明るさセンサーを活用し、フロアごとに照明の自動調整を行う仕組みを採用しました。これにより、照度不足を避けつつ、省エネを両立しています。具体的な金額としては、年間で約150万円の電気代削減が見込まれ、導入費用の回収はおよそ4年と試算されています。

LED照明のメリットはコスト削減だけじゃない?

LED照明 メリット コスト削減

オフィスビルの電気代を削減する方法として、LED照明を導入する方法があります。今すぐ取り組める方法として多くの企業が取り組んでいますが、LED照明を導入するメリットは、電気代を削減できるだけではありません。

副次的なメリットも幅広くありますので、詳しく紹介します。

目に優しく、集中しやすい「働きやすい明るさ」

LED照明は、従来の蛍光灯と比べて光のちらつきが少なく、目に優しいという特徴があります。オフィスではデスクワークをしている方が多いため、目が疲れにくい照明環境は集中力の維持にも大きく影響します。

特に、色温度を調整することができるLED照明を活用すれば、午前中は青白い光で目を覚ませるような色合いにし、暖色系の柔らかい光にするなど、時間帯に応じた調光も可能になります。

LED照明ならこのような工夫も可能になるため、従来蛍光灯よりも生産性や快適性を高める効果が期待できます。

空間に個性を持たせる「デザイン性のある演出」

LED照明は器具のバリエーションが豊富で、天井埋め込み型、間接照明、ペンダントライトなど多彩なスタイルから選ぶことができます。

照明デザインを工夫することで、受付や会議室、カフェスペースなど、用途ごとに空間の雰囲気を変えることができます。

例えば、受付は温かみのある間接照明で安心感を演出し、会議室では明るくシャープな照明で集中力を高めるなど、照明が空間に与える印象は大きなものです。オフィスにデザイン性を取り入れることで、来訪者への印象も良くなり、企業イメージの向上にもつながることがあります。特にコスト削減のほかに、デザイン性を重視した照明を検討されている方は、LED照明の導入がおすすめです。

空調負荷の軽減で「快適な温度環境を維持」

LED照明は発熱量が非常に少ないため、オフィス内の温度上昇を抑えることができます。

特に夏場の空調設備への負担が軽減され、エアコンの使用量が減少します。例えば、従来の蛍光灯や白熱電球は点灯中にかなりの熱を発し、照明の多いオフィスでは室温が数度上がってしまうこともあります。

結果として冷房を強めに設定せざるを得ず、快適な室温が維持しづらくなるケースがありました。しかし、LEDに切り替えれば、オフィス全体が適温を保ちやすくなり、従業員が心地よく業務に集中できる環境が整います。また、空調の電力消費も抑えられるため、省エネ効果もさらに高まるなど幅広いメリットがあります。

オフィスの印象を良くし「採用や取引に好影響を与える」

LED照明を効果的に活用することで、オフィス空間の印象を大きく変えることができます。

明るく洗練された空間は、外部から訪れる取引先や採用面接の候補者に「この会社はしっかりしている」「働きやすそう」といった好印象を与えます。特に近年では、働く環境にこだわる人材も増えており、照明一つで会社のブランディングや採用活動の成果に影響を与える可能性も高まっています。

逆に、暗く古びた照明環境では、ネガティブな印象を持たれてしまうこともあります。オフィスの第一印象を整えるうえで、LED照明は見た目の洗練度や清潔感を演出する手段として非常に有効となりますので、印象を良くしたいと考えているならLED照明の導入を検討しましょう。

LED照明のコストを抑えるなら補助金を活用しよう!

LED照明 コスト削減 補助金

LED照明の導入には、初期費用として器具の購入費や工事費などがかかりますが、「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」を活用すれば、費用の一部を国が負担してくれるため、自己負担を大幅に減らすことができます。

通常、導入費用の1/3ほどが補助され、例えば900万円の導入費用がかかる場合、約300万円の補助を受けることで実質600万円の自己負担で済みます。

さらに、LED照明は従来の照明に比べて電力消費が少ないため、電気代を継続的に削減できます。例えば、LEDに切り替えることで年間の電気代が20〜50%削減できることも珍しくありません。

そのため、補助金を活用して導入すれば、初期費用の回収期間が短くなり、導入後は純粋な経費削減効果が続きます。結果として、オフィスのランニングコストを抑え、経営の安定化にもつなげることができます。

まとめ

電気代の高騰が続く中で、オフィスビルにおける省エネ対策はますます重要になっています。中でもLED照明の導入は、電気料金の削減効果が高く、空調負荷の軽減や作業環境の向上といった副次的なメリットも数多くあります。さらに、照明のデザイン性や空間演出によって企業イメージの向上にも貢献でき、来訪者や従業員に与える印象をより良いものにできます。

また、国の補助金制度「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」を活用すれば、導入にかかるコストを大幅に抑えることができ、初期投資の回収も短期間で可能です。LED照明の導入は、コスト削減と企業価値向上の両方を実現できる有効な手段と言えるので、いまだに蛍光灯を活用しているオフィスビルは、ぜひこの機会にLED照明の導入を検討してください。

ビルドスマートでは、補助金を活用したLED照明の導入支援を実施しています。「どの補助金が使えるのか分からない」「初期費用をなるべく抑えたい」といったお悩みにも専門スタッフが対応いたしますので、興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。