ドラッグストアでおすすめの省エネ・節電対策とは?

  • 2025年3月26日
  • 2025年4月17日
  • コラム

ドラッグストアでは、医薬品や化粧品、日用品、食品といった幅広い商品を取り扱うため、店内の電力消費が大きくなりがちです。特に、照明、空調、冷蔵・冷凍機器といった設備は、営業中だけでなく、24時間稼働が必要な場合もあり、エネルギー消費が高くなりやすいのが特徴です。

また、ドラッグストアの多くは早朝から深夜までの長時間営業を行い、さらに季節ごとの気温変化に対応するため、空調設備の稼働が増える傾向があります。その結果、エネルギーコストが店舗経営において大きな負担となり、経営の圧迫にもつながる要因となります。

このような背景からドラッグストアでは効率的なエネルギー活用と無駄な電力使用の削減が重要な課題となりますが、具体的にはどのような対策があるのでしょうか。本記事では、具体的な対策について詳しく説明するので参考にしてください。

ドラッグストアのエネルギー使用実態とコスト負担の現状

ドラッグストア エネルギー使用実態   コスト負担

ドラッグストアでの省エネや節電対策について話す前に、エネルギー使用実態とコストの負担について説明します。

ドラッグストアのエネルギー使用実態

ドラッグストアは、医薬品や化粧品、日用品、食品など幅広い商品を取り扱うため、店内には幅広い設備が備わっています。照明、空調、冷蔵・冷凍機器、レジシステムなど、さまざまな電力消費機器が稼働しており、エネルギー使用量が多くなる傾向にあります。

特に、冷蔵や冷凍機器は24時間稼働が必要なため、エネルギー消費が一定であり、負担が大きくなります。また、広い店内を快適な温度に保つための空調設備も多くの電力を消費します。

さらに、店舗のガラス面積が広い場合は外気の影響を受けやすく、空調負荷がさらに増加します。

加えて、営業時間が長いドラッグストアでは、夜間の照明点灯時間が長くなるため、全体的なエネルギー消費が膨らみやすいのが特徴です。

ドラッグストアのコスト負担

エネルギー使用が多いドラッグストアでは、光熱費が店舗運営において大きな割合を占める課題があります。特に、夏季や冬季には空調負荷が増加し、さらに現在では電気料金の単価が上昇しやすい傾向にあるため、光熱費が経営を圧迫する要因となりやすいです。

また、ドラッグストアはチェーン展開されていることが多く、複数店舗を運営している場合はエネルギーコストの総額が膨大になります。これにより、いかに効率よくエネルギーを使用し、無駄な電力消費を抑えるかが重要な課題となっています。

これらの対策には省エネや節電対策が必要になりますので、コストの負担が大きいと感じているドラッグストアでは、早急に対策を進めることが大切です。具体的な対策方法について次の見出しから紹介します。

ドラッグストアでできる空調設備の省エネ・節電対策

ドラッグストア 空調設備 節電対策

ドラッグストアでできる対策の一つに、空調設備の省エネ・節電対策があります。経費削減には欠かすことができない項目となっていますので、具体的な空調設備の省エネ・節電対策を知りたい方はぜひ参考にしてください。

空調設備のクリーニング

空調設備は定期的なクリーニングが欠かせません。フィルターが汚れていると、空気の流れが悪くなり、冷暖房の効率が著しく低下します。その結果、設定温度に到達するまでに余分な電力を消費し、電気代の増加につながります。

具体的なクリーニングの目安としては、月に1度のフィルター清掃や、年に1〜2回の専門業者による内部クリーニングを行うことで、空調機器の性能を維持し、省エネ効果が高まります。

また、清掃の際には、換気扇やダクトの確認も行い、全体の空気循環がスムーズかどうかを確認することも大切です。スムーズな空気循環が行われていれば、余分な電力を使用することもなくなるため、結果的に電気代を抑えることが可能です。

温度設定の変更・見直し

さまざまな事情を抱えた人が顧客として来店するドラッグストアは、朝から晩まで一年を通して営業されており、常に快適な店内環境を維持することが顧客サービスとして大切です。

しかし、常に冷暖房効果を得ようとすると、その分空調設備の電気代が高くなってしまうことは避けられない問題となります。顧客が快適と感じられる環境を維持することはもちろん大切ですが、それによって経営が圧迫してしまっては意味がありません。

そのため、できる限りの快適な環境を目指し、コストの削減も目指すなら夏場は冷房の設定温度を26〜28℃、冬場は暖房の設定温度を20〜22℃にすることで、無駄なエネルギー消費を抑えつつ、快適な店内環境を維持できます。

さらに、営業時間前や閉店後の不要な空調稼働を見直すことで、無駄な電力消費を防げます。温度設定の変更や見直しは、コスト削減には必要不可欠な対策となりますので、店内でルールを定め、適切な運用を行うようにしましょう。

空調設備の買い替え・更新

空調設備の買い替えや更新を行うことも、省エネ対策には必要なポイントと言えます。

老朽化した空調機器は消費電力が多くなりがちであり、最新の省エネ型エアコンやインバーター搭載の空調機器に更新することで、エネルギー効率を向上させることができます。

特に、10年以上使用している空調設備は、最新機器と比べて電力消費が20〜30%多くなる場合があります。そのままの状態にしておくことで、無駄な電力を使い続けることにもなりますので、老朽化している空調設備は買い替えもしくは更新することをおすすめします。

空調制御システムの導入

空調制御システムは、店舗全体の空調機器を一元管理し、AIなどを搭載したシステムで効率的な運転を実現するシステムです。

例えば、混雑状況や外気温の変化に応じて自動で温度を調整する機能を活用することで、無駄な電力使用を抑えられます。

また、タイマー機能を活用して営業時間に合わせた運転管理ができるため、人的ミスによる空調のつけっぱなし防止にもつながります。

最新のシステムでは、遠隔操作やデータ分析機能が搭載されており、より高度な省エネ対策が可能です。

空調制御システムがあれば、基本的には自動的に調節が可能になるので、人手不足に悩んでいる場合や、手動で調節するのが負担に思われているドラッグストアでは、その悩みを解決することができるのでおすすめです。

ドラッグストアでできる照明の省エネ・節電対策

ドラッグストア 照明 省エネ・節電対策

ここまでは空調設備の省エネ・節電対策について紹介しましたが、ドラッグストアでは照明を少し見直すだけでも省エネ・節電対策につながるケースがあります。

ここではその対策について具体的に紹介するので、照明を工夫することで省エネ対策ができないか考えている方はぜひ参考にしてください。

照明の手入れを定期的にする

照明設備は、定期的な手入れを行うことで適切な明るさを維持できます。汚れやほこりが付着すると、照明の明るさが落ち、必要以上に照明の出力を上げることにつながり、結果的に電気代が高くなってしまうことがあります。

照明器具のカバーや電球の拭き掃除を行うことで、効果的に明るさを確保できるだけでなく、余分な電力消費を抑えられます。

高い場所に設置された照明器具は清掃が行き届きにくいため、定期的に業者に依頼して点検・清掃を行うと良いでしょう。

無駄な照明のチェック

店舗では、不要な照明が点灯し続けていることがよくあります。

例えばバックヤードや在庫置き場など、人の出入りが少ない場所の照明が付きっぱなしになっていると電気代の無駄につながります。

そのため、バックヤードや在庫置き場など、人の出入りが少ない場所は、センサーライトの設置やタイマー機能を活用することで、無駄な電力消費を防げます。

また、営業時間終了後に照明の消し忘れがないかチェックリストを活用すると効果的です。従業員全体で無駄な照明の使用に注意を払うことで、節電効果が高まります。

手動による確認まで手が回らない場合はシステムの導入も検討し、自動で調節してくれるシステムを導入することで問題を解決することができます。

照明をすべてLEDに切り替える

照明設備を従来の蛍光灯からLED照明に変更してしまうことも、電気代削減の方法として有効です。

LED照明は蛍光灯や白熱電球などの照明設備と比較して消費電力が小さいことを特徴としており、店内の照明をLED照明に変更するだけで電気代削減効果を得られます。

ただしLED照明への交換コストが発生するため、実際にどの程度のコスト削減を叶えられて、その差額によってコストを回収するにはどの程度の期間が必要になるのか、きちんとシミュレーションをすることも欠かせません。計画的に実施することで、これまで以上に電気代の削減を行うことができるでしょう。

まとめ

今回は、ドラッグストアのエネルギー使用実態とコスト負担の現状や、実際にできる省エネ・節電対策について詳しく紹介しました。ドラッグストアは電力消費量が多いのが特徴となりますので、できる限りコストを抑えたいと感じている方は、今回紹介した内容も参考にしながら対策を進めてみてください。

対策方法の中でも、EMSや空調省エネシステムを導入することで、効率的にコスト削減を実現できる場合もあります。実際に大手ドラッグストアでは導入実績も数多くあり、節電に成功している事例もありますので、全て手動で対策するのは難しいと感じている方は、システム導入もご検討ください。