ビル中央監視システムとは?導入のメリットと省エネ効果を徹底解説

一般的な住居とは異なり、ビルは規模が大きく、数多くの人が利用しているため、さまざまな設備が設けられています。その設備の中のひとつにビル中央監視システムが挙げられます。

ビル中央監視システムは、オフィスビルや商業施設、工場などの建物の管理を効率化し、運用コストの削減や環境負荷の軽減などを実現することができます。基本的にビル管理に必要な設備の中で中核を担う存在であり、エネルギー管理やトラブルの早期発見などの観点で高い評価を獲得しているシステムです。

実際に、ビルを管理する人の中には、これからビル中央監視システムの導入を検討している人も多いのではないでしょうか?そのような方は、まず導入する前にどのようなメリットを得られるのか確認しておくことは非常に重要です。また、省エネ効果や導入費用を抑える方法を知りたいという方も少なくないでしょう。

そこで、今回はビル中央監視システムの概要やシステムを導入するメリット、省エネ効果などについて詳しく解説しますので、興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

ビル中央監視システムとは

ビル中央監視システム

ビル中央監視システムとは、ビルの中に設置されているさまざまな設備を一元管理し、データを得ることで管理コストの平準化や最小化を図る仕組みのことです。従来からあるビル中央監視システムは、専用配線を建物全体に敷設して多くの機器を設置するなど、とても大掛かりなシステムでした。しかし、近年においてはIT技術の飛躍的な進歩によってコンピューターを利用した監視制御装置が使用されているケースが一般的です。ITを活用することで、受変電設備だけを監視制御対象とするのではなく、施設全体を包括したシステム監視ができるようになっています。

ビル中央監視システムは、一般的にビルオートメーションと呼ばれることもあります。ビル施設における各設備の自動化や故障監視、記録など施設管理を実現するための各種機能を備えたシステムを意味します。例えば、受変電設備の操作や監視、照明設備の制御、空調設備の操作、セキュリティ管理などが代表的な機能です。

ビル中央監視システムの耐用年数について

ビル中央監視システムの法定耐用年数は15年と定められています。そのため、ビルの経営者・管理者は、その法定耐用年数に合わせて計画的にシステムのリニューアルを実施しなければなりません。

基本的に、ビル中央監視システムは、法定耐用年数を超えると故障率が大幅に上昇します。万が一故障してしまうと、管理者への負担をはじめとするさまざまな問題が発生します。

例えば、故障によって起こるリスクのひとつとしては、費用の増大です。ビル中央監視システムが故障すると人件費はもちろんのこと、老朽化した設備の部品は生産や供給がストップしているケースもあるため、余分に費用がかかります。その結果、設備修理や交換費用が増大してしまう可能性も高いです。また、給排水槽のトラブルによって被害等が発生した場合は、修復費用も管理者が負担することになります。

そのほかにもサービス品質の低下が挙げられます。ビル中央監視システムがダウンしてしまうと照明設備や空調設備に対して十分な配慮が行き届かなくなるため、快適な空間を維持することが難しくなります。また、防犯やセキュリティにおいても重大な問題が発生することになるため、ビルを利用する人たちからの信頼が失墜します。結果的に、テナントや入居の契約解除も発生する可能性があるでしょう。

このように、ビル中央監視システムが故障してしまうとビル経営者・管理者が背負わなければならないリスクは非常に大きなものとなるため、法定耐用年数に合わせて適切にリニューアルすることが求められます。

ファシリティマネジメントに基づく施設の管理運営

ファシリティマネジメント

ファシリティマネジメントとは、企業や団体が組織として活動するために、施設とその環境を総合的に企画・管理・活用する経営活動のことです。日本ファシリティマネジメント協会によって定義されており、ビル管理業務においてもファシリティマネジメントの一環に含まれると考えられています。

ビル中央監視システムは、ビル管理の中で活用されるものであり、それはファシリティマネジメントの一環となるため、ファシリティマネジメントについての知識を把握することもビルを経営・管理する人たちにとって重要です。

ここでは、ファシリティマネジメントの考え方に基づくビルなどの施設の目的と手法について簡単に解説します。

資産価値の向上

適切な管理と必要に応じた改修が継続されていないビルは、施設の資産価値を低下させてしまいます。そのため、日常の清掃はもちろんのこと、設備の管理や改修業務、防災対策などを行い、ビルを最適な状態で維持することが重要です。

執務・居住環境の改善

単に、ビルを維持するだけでなく、おもてなしの精神をビル管理に活用することも非常に重要です。ホスピタリティを重視した管理や運営は利用者のより快適な利用を目指すことができるので、執務・居住環境を改善することも大切であるといえます。

環境負担の低減

環境保全を徹底し、施設の安全保持と長寿化を図ります。省エネ施策の導入なども非常に重要です。

社会のニーズに対して柔軟に対応

社会情勢が変化することで、施設の利用者のニーズも同様に変わっていきます。そのため、ビル管理においては、施設の利用者のニーズに合わせて柔軟に対応することで、満足度を向上させることが可能です。

ビル中央監視システムを導入する4つのメリット

ビル中央監視システム 導入 4つのメリット

ビル中央監視システムを導入することで獲得できるメリットは、大まかにわけて4つあります。それぞれのメリットについて詳しく解説していきますので、導入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

不正侵入などの犯罪行為を対策できる

ビル中央監視システムを導入することで、不正侵入などの犯罪行為を対策することができます。

ビル内外に関しシステムを設置することで、ビルの中に不法侵入する人や不審な行動をとる人を素早く検知し、適切に対処することが可能です。また、監視システムを設置することで、犯罪行為をしようとしている人たちに『見られているのではないか』と思わせることができます。つまり、監視システムを設置するだけで犯罪の抑止力になる可能性もあるため、施設利用者の内部不正の低減にもつなげられるでしょう。

さらに、現在はAI技術の発展も目覚ましく、実際にビル中央監視システムの中にはその技術を取り入れているものもあります。AIによる違和感検知機能が搭載されているビル中央監視システムを利用すれば、犯罪の前兆を察知することもできるようになるので、事件を未然に防ぐことも可能です。

遠隔管理によって監視業務を効率化できる

遠隔管理によって監視業務を効率化できる点も大きなメリットです。

近年、ビル中央監視システムの中には、防犯カメラ映像を遠隔で管理できるものも増えています。そのようなビル中央監視システムを導入すれば、スマホなどでビル内外の様子を確認することができるようになるため、施設内の巡回や管理室の常駐時間を短縮することが可能です。

施設内電力の効率的運用と可視化ができる

ビル中央監視システムを導入すれば、施設内電力の効率的運用と可視化ができる点も大きなメリットです。

ビル中央監視システムは、デマンド計測・制御及び動力個別設備の電力測定を行うことができます。これによって設備ごとの状態監視を一元化することが可能です。また、取得した計測結果はデータ分析に活かすことができるので、ビル中央監視システムを利用すれば大きな導入効果を得ることができるでしょう。

時間とコストの削減

時間とコストを削減できる点もメリットです。

ビル中央監視システムを導入することで、遠隔から操作することができるようになるため、現場での作業を最小限に抑えることができます。また、メンテナンスにかかるコストも削減することができるので、効率的なビル運営の実現が可能です。

ビル中央監視システムの省エネ効果について

ビル中央監視システム 省エネ効果

ビル中央監視システムを導入することで省エネ効果が得られることをご存じでしょうか?

ビル中央監視システムは、デマンド監視装置とデマンドコントローラーを活用して電気の基本料金に大きくかかわる最大需要電力を抑える方法を検討できます。これにより、ビル全体の省エネ対策に活用することが可能です。

実際に、ビル中央監視システムを導入した企業の中には、デスクトップの監視用モニタと大型LCDにエネルギー消費状況を映し出し、スタッフが情報を共有できるようにしたことで、省エネ意識が高まり、消費電力を抑えられたところもあります。

まとめ

今回は、ビル中央監視システムの概要や導入することで得られるメリット、具体的な省エネ効果についても解説しました。ビル中央監視システムを導入すれば、建物設備の遠隔操作が可能になります。現在は、スマホやタブレットなどの小型端末からも制御・監視ができるシステムが増えており、業務の大幅な効率化を期待することができるでしょう。しかし、ビル中央監視システムには法定耐用年数があり、それを超えると故障しやすくなります。万が一故障してしまうとコストの増大やサービス品質の低下などさまざまなリスクが生じることになるため、ビルの経営者・管理者は定期的にリニューアルすることが求められるでしょう。

これからビル中央監視システムの導入やリニューアルを検討している人の中には、導入コストに負担を感じる方もいるのではないでしょうか?できるだけ安い価格でビル中央監視システムを導入したいという方は、ビルドスマートを利用するのがおすすめです。


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