現在、環境問題につながる省エネルギー対策として、エネルギー消費を抑制するために無駄な電力を使わないように意識付けを行ったり、少ないエネルギーで稼働できる電気設備を導入したりする流れが一般的に普及しています。特に、企業は一般家庭と比べて使用するエネルギー量が非常に多いため、省エネルギーの推進とエネルギー消費の最適化を図る対策が必要不可欠です。そのため、多くの企業では太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを導入しています。
しかし、再生可能エネルギーの利用は省エネ対策として必要不可欠となりますが、これだけですべてのエネルギーをまかなうことは難しいです。そのため、現在の資源で環境への負荷を最小限にしながら効率的にエネルギーを使うことが重要であり、それに欠かせないものとしてエネルギーマネジメントシステムが挙げられます。
エネルギーマネジメントシステムは、エネルギーの消費を可視化できますが、一方で費用負担が大きいという課題を抱えている企業も多いです。そこで、できるだけ負担を少なくするために、IT導入補助金を利用するのがおすすめです。
今回は、IT導入補助金やエネルギーマネジメントシステムの概要やIT導入補助金を使って導入できること、補助金を使うメリットなどを解説します。
IT導入補助金とは?
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際に、その費用の一部を補助する制度のことです。主な目的は、中小企業や小規模事業者の業務効率化や売上向上のサポート、労働生産性の向上などが挙げられます。補助上限額は最大で450万円となっており、会計ツールや受発注ソフト、決済ソフト、PC・ハードウェアなど補助対象となるITツールが幅広い点も大きな特徴になります。
IT導入補助金には、5つの枠が用意されており、自社の目的に合った枠に申請することができます。具体的には、通常枠やインボイス対応類型のインボイス枠、電子取引類型のインボイス枠、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠の5つの枠です。
IT導入補助金は、補助制度になるため、補助金を受け取るためには自社の申請が採択される必要があります。また、ITツールの発注・契約・支払い後に事業実績報告を経て補助金が交付されるため、補助金を利用する場合でも予算を確保しなければならない点がポイントです。
IT導入補助金事業者とは?
IT導入補助金事業者とは、IT導入補助金を活用して中小企業や小規模事業者が適切なITツールを導入するために支援を実施する業者のことです。これらの業者は、一般的に最適なツールを選定するだけでなく、申請手続きのサポートなども行うケースが多くなります。また、業者によってはアフターフォローを実施しているところも少なくありません。
基本的に、IT導入補助金を利用する際は、IT導入支援事業者と二人三脚で手続きを進めるケースが多くなります。そのため、自社のニーズとマッチし、信頼できる業者を選定することが重要です。主に、IT導入補助金事業者はベンダー系と販売代理店系の2種類があり、ベンダー系のIT導入補助金事業者は、ITツールの開発や販売を担うベンダーがそのままIT導入補助金事業者となっているケースです。一方、販売代理店系は、複数のベンダーから商品を仕入れて顧客に販売している会社を意味します。
エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは?
エネルギーマネジメントシステムとは、エネルギーの利用をモニタリングして運用効率を最適化するためのシステムのことです。別名、EMSと呼ばれることがあります。エネルギーマネジメントシステムを利用することで、エネルギーコストの削減につながるため、省エネ対策に熱い視線が注がれている昨今、多くの企業が導入を推進しているITツールです。
エネルギーマネジメントシステムは、エネルギーの使用を最適化し、持続可能なエネルギーを確立するために重要な役割を担います。例えば、導入することで、エネルギー消費の状況を可視化してデータを蓄積し、各種設備の稼働率をコントロールすることが可能です。
エネルギーマネジメントシステムの仕組みは、計測・モニタリング、データ収集・分析、制御・最適化の3つのステップにわかれています。計測・モニタリングでは、エネルギーの使用量を測定し、モニタリングすることで、電力やガス、水道の使用状況をリアルタイムで収集することが可能です。また、データ収集・分析は、エネルギーの使用パターンや効率性の分析、制御・最適化は必要に応じてエネルギーの使用の自動調整及び最適化を行います。
エネルギーマネジメントシステムを導入することで、施設の省エネルギーの可視化や分析によって改善箇所を特定できるなど、数多くのメリットがあります。そのため、エネルギー効率を高めたい企業では、積極的に導入が進められているITツールです。
エネルギーマネジメントシステムの導入にIT導入補助金は利用できる
エネルギーマネジメントシステムの導入を検討している企業の中には、できるだけ費用負担を抑えて購入したいと思われている方も多いのではないでしょうか?そのような企業は、IT導入補助金を利用してエネルギーマネジメントシステムを導入するのがおすすめです。
エネルギーマネジメントシステムは、自社の課題に合ったITツールを導入し、業務効率化や売上アップをサポートするシステムになります。そのため、IT導入補助金の通常枠で申請することが可能です。
IT導入補助金を利用してエネルギーマネジメントシステムを導入すれば、費用負担を抑えられるので、中小企業や小規模事業者の中には、IT導入補助金を積極的に活用している方も少なくないでしょう。
IT導入補助金を使ってエネルギーマネジメントシステムを導入する5つのメリット
実際に、企業がIT導入補助金を利用してエネルギーマネジメントシステムを導入すれば、さまざまなメリットを獲得することができます。具体的にどのようなメリットがあるのか詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
返済不要な補助金
IT導入補助金は、基本的に規定に従って申請をすれば、返済不要の補助金になります。そのため、借入するときとは異なり、補助された費用を返済しなくても済むため、費用負担が大幅に減少します。しかし、IT導入補助金は費用を一部補助する制度であり、補助金を受け取るために採択される必要があるため、その点には注意しなければなりません。
費用を抑えてエネルギーマネジメントシステムを導入できる
IT導入補助金を利用する最大のメリットは、費用を抑えてエネルギーマネジメントシステムを導入することができるという点です。
エネルギーマネジメントシステムを導入する企業は、IT導入補助金の通常枠を利用することになりますが、通常枠は最大で1/2の費用を補助してもらえます。補助額は1プロセス5万円以上150万円未満、4プロセス150万円以上450万円以下となっており、大幅な費用削減を見込むことが可能です。
エネルギー管理の効率化につながる
エネルギーマネジメントシステムを導入することで、エネルギー管理の効率化につながる点もメリットのひとつです。
当然、エネルギーマネジメントシステムは、エネルギー消費を可視化するためのツールであるため、導入することでエネルギー管理の効率化を期待することができます。また、うまく活用することで、電気代などの燃料費用のコスト削減にもつながり、企業全体の経費削減も期待することが可能です。
IT導入補助金を利用すれば、少ない費用負担で導入することができ、さらにエネルギーマネジメントシステムをうまく運用することで、IT導入補助金の補助対象外の部分の費用も早い段階で回収することができるので、IT導入補助金を利用してエネルギーマネジメントシステムを導入することは企業に大きなメリットがあるといえるでしょう。
企業価値の向上
企業価値の向上につながる点もメリットのひとつです。
エネルギーマネジメントシステムを導入することで、エネルギーコストを削減できるだけでなく、環境負荷の軽減に貢献することが可能です。これは企業として省エネルギーや脱炭素へ積極的に取り組むことを意味し、それが評価されれば、SDGsやESG経営の実現に向けた具体的な行動としてアピールすることができるでしょう。
IT導入補助金を利用することで、企業価値を向上することができるエネルギーマネジメントシステムを安く導入することができ、それに伴って環境問題にも貢献することができるため、非常にメリットが大きいといえます。
従業員のモチベーションの向上
IT導入補助金を利用してエネルギーマネジメントシステムを導入すれば、安い費用で従業員の働きやすい環境と企業に対する信頼性の向上を実現することができます。
エネルギーマネジメントシステムを導入すれば、エネルギーの使用が最適化されるため、オフィスや作業現場の空調・照明など電気の使われ方が改善されるため、従業員が快適に働けるようになります。
また、コスト削減によって財務状況が改善されるため、それが安定した経営につながります。これにより、従業員は企業に対して信頼感を持つようになるため、その点も大きなメリットです。
まとめ
今回は、IT導入補助金やエネルギーマネジメントシステムの概要、IT導入補助金を使ってエネルギーマネジメントシステムを導入できるやIT導入補助金を利用するメリットなどを紹介しました。実際に、IT導入補助金を利用してエネルギーマネジメントシステムを導入すれば、数多くのメリットがありますが、そのメリットを得るためには、申請が採択される必要があります。そのため、企業の中には、自社の申請がしっかりと採択されるかどうか心配な方もいるのではないでしょうか?
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